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inu_zou_p.gif おちんちん  イシダユーリさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171442

11月22日に読んだ。

 意味を追うととんちんかんな解釈をさらしてしまいそうでなかなかむずかしい。イシダさんの詩は好きで、この縦に長い特徴的な様式の魅力はなんなのだろうか。なんてよく考えます。たくさんの改行の中で、急にパワーのある言葉が出現する。「谷川俊太郎」なんてちょっとびっくりするくらいなパワーだとおもう。まあ「おちんちん」もだけど。そういう強弱が怒涛のように上から下へとつづいていくから目がはなせなくなってしまう。それっぽいことばであらわすとグルーヴがあるのだとおもう。
 そんなうねり感にのせて『ほんとうのこと』へ激突する。人が避けて通る、目をそむけてしまう、あるいは気がつくことのできない、そんな『ほんとうのこと』を言ってしまうし、挑みかかる。ちょっとおちょくるユーモアもある。この詩はそんな詩だとおもいます。やっぱりとんちんかんになってしまった。反省。
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inu_zou_p.gif 曖昧な輪郭をなぞる  ゆうとさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171540

11月22日に読んだ。

 いろいろ詩を読んでみて、ひねりにひねった言葉もおいしく食べられる身体になった。とはいえ、素直な言葉で書けばええやないの。とニセ関西弁をつかいたくなることも多い。
 とても素直な詩だとおもった。でだしなんかすごくキュートでなんのかざりもない。「ほんとうはこんなはずじゃなかったのに、」そうだよな。もっと正解があったよな。という、恋愛でいちどはかならず経験するあの感じ。その独特な空気をしっかりつかまえていて、陳腐さをぎりぎりで回避しているとおもう。最後のひかえめな希望の持ち方もよかった。「ぼんやりだけど そう思ったのです」これがあるだけでなんかこう、切なくなる。素直になることを怖がらず、抑制のきいた良い詩だとおもいます。恋っていいよねー。
inu_zou_p.gif 見舞い  たもつさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=166109

10月5日に読んだ。

 家族のだれかが病をわずらう。そのときから、胸にずしんと重いなにかを詰めこまれてしまう。この感じ、とてもよくわかる。祖母の介護に必死だった母の姿をぼくは見ていて、そのやりきれなさ、ゆきばのなさはひとことではちょっと表現できない。人が死ぬ。というのは、触れてしまうと本当に重たい。だからこそ、軽く人が死ぬ、ばたばたと人が死ぬ。そんな映画を見ると、嬉しい。その感覚、その弱さ。そして、それすらも認めてくれる存在がいる。
 見事な配置だなぁとおもわずうなってしまう詩だった。あと、何気なく「~~死んでいくのが嬉しかった」と表現しているけれど、わたしだったら「楽しかった」という言葉を選んだとおもう。「嬉しかった」とするだけで、何かを確かめている感じがしてさびしい。「夏の終わりに蝉が鳴かない」という1行なんかすばらしすぎる。隙のない鋭い詩だとおもう。
inu_zou_p.gif ひとつの車輪が回っていった  こもんさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167105

10月5日に読んだ。

 読んでファンになった一作。思いあまって他の詩にもおすすめポイントを献上。どれも素敵ですが、本作のたどたどしさはとてもいいです。頭のなかのイメージを表現するとき、流暢にかたられているのを見て、こいつはすごいな、とおもうけれど、それって本当にあなたの頭にあることなの?といういじわるな気持ちになることも、けっこうある。
 ほんとうはもっと支離滅裂で、断片的で、安易で、無防備なはず。ただ、それをそのまま加工しないで伝えるのはしんどいし、危ういんだろうなとおもう。それにたぶん読んでも意味わからない。
 この詩は、そのあいまいかつ不確定なイメージを、なるべくそのまま、伝えよう伝えようとしてる感じに見える。そのもどかしさ。そこがねー、ぐっとくるのよ。なんか他人のことがわからない、その感覚に似てる。絶望的に他者がわからない。そのむなしさ。でも、なんとかわかろうとするじゃないぼくらは。徒労に思えるような日々のなかに、希望をいだいてもいいのかな。と思えるところがいちばんよかった。
inu_zou_p.gif サン/アローン  石畑由紀子さん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167647

10月5日に読んだ。

 おもしろい。短い詩のいいところは、みじかいところだ。詩は比喩や、普段はありえない言葉の接続を連発するので、それを受けとめて想像するのには、わりかし集中力と根気がいるとおもう。「サン/アローン」も想像を刺激しようとするタネがあちこち仕掛けてある。そのかわり全体の分量はすくない。そのへんのバランスがちょうどよくて読むのがきもちよかった。
 男と女が夜、それぞれの場所に向かって分かれてゆく。ただそれだけの場面を、作者はこの詩にせざるをえなかった。ということを考えると、がぜんキュっとせつなくなる。冒頭、2行が意味ありげにあって、これが想像の行き場をひろげているところもいい。なんなの。どうなっちゃうの。というはじまり。よかったです。
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執筆者
ツユサキ


石畑由紀子


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