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醤油 たもつさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=504
われわれは忘れる生きもので、忘れていくからこそ、生きていけるという面がある。けれど、どうしても染みついて取れないよごれのように、良きにつけ悪しきにつけ忘れることのできない瞬間や物事があるのだとおもう。
たもつさんの2003年に投稿されたこの作品ではそういった人間のありふれた性質のおかしさ、悲しみ、が鮮烈に描写されていて、すごくよかった。醤油を飲みすぎると死ぬらしい。というのは、わたしも小さいときに聞いて、興奮したものですがまず、そこに着目できるところがすばらしい。そういった一見なんでもないようなでもへんてこりんだったり、魅力的なモチーフをみつけることは、作品をつくる上でとても大切なのだとおもう。
また、コメント欄に「醤油以外の調味料だと感じないかも。醤油だからこそ。」と記されていますがたしかに!とうなづいてしまった。醤油のたたずまいというものがあって、あの塩辛い、けど舐めまわしたくなるような濃い黒の液体。「醤油の海」なんて表現からも日ごろから醤油を偏執的に観察しないとでてこないものを感じて、たもつ氏の食卓を想像してしまう。きっと好きなんだ、醤油が。
他にも「佐藤君」などにみられるリアリティはすごいなと感じた。顔は知っているし、話したこともある、深くはしらないけれど、でもどことなく苦手。そんな相手を意識してしまう感じ。じぶんにも覚えがあって興味深い。トイレとかで偶然会ったりすると「おう」とか挨拶して、すぐ出ていくような。そんな空気感が封じ込められていてよかった。
石畑由紀子
ことこ