忍者ブログ
  最新  
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

inu_zou_p.gif 遠泳  砧 和日さん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=87996



 彼と彼女の関係性は、不等号であらわせば 彼<彼女 なんだろうなぁ。でも、等しくありたいから、彼は、彼女はイコールを望む。そうやって、成り立ち続けることはやっぱりむずかしいよ、とおもう。もちろん誰もが誰かのために無理をするんだけれど、劣等感というものはそんな簡単になくなってはくれない。気にしないふりをしても、なにかの拍子に頭をもたげ、素直になることをゆるさない。呪いのようなもので、たぶん今もわたしはこの呪いに苛まれているような気もする。そういうことを、おもう。

 砧 和日さんは、人間関係や心の機微を切り取るのが抜群にうまいな、とほかの作品を読んでもおもう。簡潔なことばづかいで、むだのないスマートなかたちが美しい。くちずさむと歯切れがいいし、上記のような感情移入ができないときでも、つい読んでしまう。短く潔いんだけど、かならずどこに足をとめてしまうような光る言葉がある。せっかちな自分としては、そういうところがうれしいので、いいとおもう。
PR
inu_zou_p.gif ルアーズ  uminekoさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171822



 魚に似せられてつくられたルアー。本物の魚を釣りあげるため、ルアーは川を(湖を)泳ぐわけですが、そこに詩情を見いだすところがすごい。にせものとほんものの邂逅を見事に描き出しているとおもう。
 uminekoさんの詩はどれもすばらしくて、去年はよく読みました。やはり短いのがいいとおもう。短さはそれだけで長所だと痛感するこのごろ。長さでごまかせないし、短いなかでインパクトも与えなくちゃならないからハードルは高い。けれど、それを軽やかに飛び越えてそんな苦労をみせないところがとてもすてきです。
 この作品でもちゃんと印象的な部分をつくって読者を楽しませてくれています。「哀しみに似た」で終わる最後のフレーズなんか、快感すらともなうほど。口ずさむと抜群のリズムであることも注目したいです。
inu_zou_p.gif 軽さへのあこがれ  佐々宝砂さん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=151410



 全体の分量がこれ以上ないほど最適で舌を巻いてしまいました。表現したいことがあって、それを書くとき。そのテーマにふさわしい長さや重量というものがあるとおもう。その最適な感覚こそがじつは詩でいちばん大切で、むずかしいことなのではと感じて、興味深かった。
 おもわず息をとめてしまうような1連目もまたすごい。とりたてて派手な言葉ではないのに、鮮烈です。いろいろなものがつまった14行で、くりかえし読みたい一作だとおもう。
inu_zou_p.gif アースシャイン  夏野雨さん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=147713



 詩は「なんか感じているんだけど言葉にできないあの感じ」を言葉で表現するから(代弁してくれるから?)エキサイティングなんじゃないかな、とおもいます。「おのおのがひとしく生まれ持った孤独」という一節にはその醍醐味があって、すごくおもしろかった。わたしがわたしであること。それはそれだけでどうしようもなく孤独で、だからこそ引かれ合う。そんな人間の関係性を、見事に月と地球でたとえているとおもう。
 夏野さんは1年間、ほどよいペースでたくさんおもしろい詩を読ませてくれました。ちょっと心配なぐらい、バランス感覚が抜群で感心してしまいます。感謝。
inu_zou_p.gif スーパーにて  吉田ぐんじょうさん
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171257

11月23日に読んだ。

 あまり本作とは関係ない話。現代詩フォーラム界隈をあるいていると、だいたいこのひとはこんな詩をかくよね。ということがわかってくる。それが「作風」とか「個性」とか「オリジナリティ」と呼ばれるものだ。そういったものをうまく武器にできる人はだいたいみんなおもしろい。仮にそのような人たちを「アームズ」と呼称してみるのはどうだろう?漫画みたいでかっこいいでしょう。
 わたしのセンスを疑う声が画面のむこうでささやかれていますが、吉田さんはじぶんの武器をしっかりと持っている方だとおもいます。物語的な様式にそって詩情たっぷりのシークエンスを見ることができる。特別、詳細な描写はないのに映像的です。「これは嘘だろう」とおもうようなひっかかりを取りのぞいているから、スムーズに想像できるのだとおもう。スーパーにカブトムシですよ。あるよなー、そういうの。他の一画には、布団とか絶対売ってる。花柄の。よかったです。
  最新  
SRSについて
はじめに

レビューを執筆してくれる方、随時募集してます
特別企画
現代詩フォーラム50選
(1)(2)(3)

poenique  4wheels
執筆者
ツユサキ


石畑由紀子


ことこ
unchain.jpg
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析



忍者ブログ   [PR]