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制御された文体で、一定のトーンに保たれた静けさがよかった。タイトル通り、じつに断片らしい断片。分散した思考からゆっくりと焦点を結んでゆくような感じをうけました。解釈としてはよくわからないというのが正直な感想ですが、そのわからなさがセンス・オブ・ワンダーにつながる、というマジックがあって、それまであと一歩というところだとおもう。
細部では、三がおもしろかった。パスタを茹でているシーンが少ない言葉で想像できる。気泡とか、単語の選択がすてき。たしかに茹でるとき細胞分裂みたいな気泡でるもの。
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よかった。「憂鬱なんだろな」とつたわるシーンの連続で独特の浮遊感がある。たまに、わけもなく静かになりたいと思う瞬間があって、べつに死にたいとか大げさな感情ではないけれど、限りなくゼロになりたいというようなことって、けっこう誰にでもあるとおもう。感情の空白(飽和)とでも言いますか、そんな瞬間を詩でうまく表現しているとおもった。ラストの夕日のシーンはいいですね。サンダルを投げる一瞬の爽快感と、燃える太陽の激情が入り混じって、ぐっときました。
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平凡なことがなんだかうれしい。そういうことってあるよなー。誠実な作品だとおもいます。シンプルすぎてどうしても強い引きがない部分はあるけれど、それでいいじゃないか。と思えるし、すべてがすべて、刺激的である必要はないとおもった。逆にこういう詩が発信されない状況になってしまったらなんだかさびしいものがある。
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おもしろかった。ひじょうに映像的なフレーズが多くて、ふくらませれば短い映画くらいは撮れちゃいそうだなとおもいました。強引な飛躍を読者の想像力で補わせる作品ってけっこう多いですが、これくらい丁寧なつくりだと詩になれていない人でも読みやすそうでいいと思う。
癒しというと胡散臭いイメージもありますが、それをうまく回避しつつ、けっこうベタな最後の一行に着地させるあたり、お見事!とおもいました。みんな疲れるよ、こんな時代じゃ、なんてつぶやいているうちに、わたしはいい年になり、今の子供はまた大人になるんだねえ。
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うずくまる。というひとつのモチーフから話をひろげていくところが発想の豊かさを感じてよかった。何より「うずく」で区切ることを思いついたことにアイデアがあって、そういう光るポイントがひとつでもあると詩はおもしろくなるのだなとつくづくおもう。部分部分、感情をのせきれない面があるにはあるのですが、うずくまる、丸くなるという身体感覚には、はっとさせられました。
執筆者
ツユサキ

石畑由紀子
ことこ
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